東京地方裁判所 平成4年(ヲ)2017号 決定 1992年1月20日
当事者 別紙当事者目録のとおり
主文
相手方は、別紙物件目録記載の不動産について、買受人が代金を納付するまでの間、現状の変更、占有の移転、賃借権の設定、その他不動産の価格を著しく減少する行為又はそのおそれがある行為をしてはならない。
(裁判官松丸伸一郎)
別紙当事者目録
申立人(差押債権者) 三菱信託銀行株式会社
上記代表者代表取締役 林宏
申立人(差押債権者) 三菱信託銀行株式会社
上記代表者支配人 矢野豊
申立人(差押債権者)代理人弁護士 三宅省三
同 今井健夫
同 池田靖
同 桑島英美
同 矢嶋髙慶
同 竹村葉子
相手方 株式会社コスモエンタープライズ
上記代表者代表取締役 渡邊正
別紙物件目録
所在 東京都港区南麻布参丁目
地番 壱四四番六八
地目 宅地
地積 264.48平方メートル
別紙保全処分命令申立書
申立の趣旨
相手方は、別紙物件目録記載の不動産に対し、現状の変更、占有の移転、賃借権の設定、その他価額の減少をきたすような行為をしてはならない。
申立の理由
1、申立人は、平成三年二月二七日、相手方所有の別紙物件目録記載の不動産(以下本件土地という)に対し、御庁に抵当権実行としての競売を申立て、平成三年(ケ)第二五三号事件として平成三年三月一日競売開始決定がなされ、現に係属中である。
2、相手方は、平成四年一月八日ころから同月一〇日までの間に更地であり地上には一切加工の残のなかった本件土地に、砂利を敷きつめ上からローラーで固める工事を行い、さらにビニールロープで車一四台分相当の区画に区切った。
3、相手方のこのような行為は、本件土地を有料駐車場として第三者に賃貸する準備である。
4、前記不動産競売事件の入札期間は平成四年三月五日より同月一二日までであり、同月二六日が売却決定期日である。
従って、相手方が入札期日直前である現在において本件土地を有料駐車場として賃貸する準備を始めたことは、賃借人の存在により買受の申出を妨げ不当に本件不動産の価格を減少させることを目的としたものである。又、仮りにそうでなかったとしても、一四名の賃借人が存在した場合、本件土地の現実的価格は著しく減少する。
5、このように相手方の行為は、本件土地の価格を著しく減少するおそれのある行為であり、このまま放置することは本件土地の換価に影響をきたすものである。
6、よって、申立人は、民事執行法第五五条に基づき申立の趣旨記載のとおりの裁判を求める。
添付書類
1、現認報告書 一通
2、写真 五枚
3、不動産登記簿謄本 一通
4、資格証明書 三通
5、委任状 一通